漫画家志望の痛い日記

漫画家を目指す方や漫画好きの方と意見交換できたらなーと思ってますコメント待ってます

(ネタバレ注意)天塚啓示先生作『警備会社セプトスリー社長 田中誠司』感想20160610少年ジャンプネクスト!!2016vol.2掲載

久々に自分の感想読み返してみました
なんだか悪口みたいな感想もありますね

自分の精神の未熟さを痛感しました…笑
(こんなブログ書いてる時点で
お分かりだとは思いますが)

特に『東の大和と西のリリー』と
『召喚士アレモの悪魔目録』が酷い…


『東の大和と西のリリー』は2回も
感想書いてますがほぼ一緒の内容を
感情的に言い直しているだけで…


反省してこれからは失礼のないよう書きます…
すいませんでした…



暗い!
感想いきましょう!笑



今回の読切の内容は

桁外れの戦闘能力を持つ警備会社社長
田中誠司が活躍する「仕事」がテーマのバトル漫画

といった感じですね

今回の読切は個人的には
面白いとは思えませんでした


まずこの読切の世界観に
入って行けませんでした

「判子やインクの強度のわりに
シェルターが弱過ぎではないか?」

「小規模の警備会社社長より武装した
警官が弱いっておかしくないか?」

「高校生が急成長中の
警備会社の社長に仕事を頼めるのか?」

「女子高校生が一晩無事に過ごせてるなんて
敵は何をしているんだ?」

「記憶消去の技術があるのになぜ暗殺なんて
処理の面倒なことをするんだ?」

「そもそも廃ビルで注射なんてするかな?
見張りくらい用意するのでは?」

など読んでいる途中で
多くの疑問が浮かんできたからです


あとキャラクターの行動にも
よく分からないものが多く
感情移入できませんでした

田中が家族のように感じているお客様の高校生に
シェルター購入をすすめるのは
やっぱりおかしいですよ

シェルターを持っていても
今後この子のためになるとは思えないです
完全に田中の利益目当ての行動ですよね

これのせいで田中のキャラクターが
分からなくなってしまいました

田中にはこの物語での
作者の主張を代弁する役割もあると思うので
これはこの読切にとってマイナスじゃないかなと思います


田中と花峰の掛け合いも
あまり面白く読むことができませんでした

約束を予定があるから別の日程にしたいと言った田中に
「この野郎!」はいくらなんでも厳しいです
別に田中はボケてるわけじゃないと思います

その直前にあった
田中が猫の種類について花峰に聞く場面でも同じです

ボケというボケでもないのに
厳しくツッコまれるのに違和感があります

かなり細かい所なんですが
自分はこういうところが気になりました


次に

「田中が仕事のために自分の体を改造した」ということを
明かすこの読切のひとつの見せ場と言える場面について

田中が改造人間であることに
驚きや感動が感じられませんでした

理由は田中が力を得るために払った代償の
大きさがよく分からなかったからです

これについては秋山先生の読切『フダツキ』に登場する
主人公の「鹿羽」でも思いました

鹿羽は大型トラックにはねられても
ピンピンしているような不死身の設定なので
敵との戦いで重症を負って「フダツキ」になる場面でも
「鹿羽なら「痛え!」くらいで済むのかな」と
思えてしまいました

今回の田中も同じで
周りが改造人間だらけで
改造に特に痛みも伴わない設定なので
仕事のために改造人間になることが
どれほど凄いのか伝わってきませんでした

あらかじめ改造人間になる苦しみについて
描いてあれば違ったように思います

そもそもこの世界観で
田中が改造人間じゃないなら
雇う意味がないくらいじゃないですかね

改造人間である方が自然だと思います




さらに次

田中は終盤で
「花峰の命」か「自分の会社の存続」か
どちらかを選ばないといけない
という危機に直面しているような演出がありますが

あまりピンときませんでした

まず二択を迫るタイミングが早すぎる気がします

田中が戦いで押され気味ならまだ分かりますが
全くその様子はないし

むしろ田中としては
勝てる気でいると思うんです

ならこの二択って「花峰の命」と
「自分の会社の利益」の選択ではないでしょうか?

普通なら
ジャンプ系の最強キャラクターが活躍する漫画において
そのキャラクターが二択を突きつけられて
危機におちいる展開は成り立たないです

この展開は田中が
「仕事」のキャラクターだから
表面的に成り立たっていると
僕は思います

完全に「仕事」の枠を越えた選択なのに
「仕事」に納めることで意外な選択として
演出していると思うんです

「仕事」であれば花峰を見殺しにする選択はありうるのか
と言われれば当然
ありえないと思うんですが

それを

仕事だから利益優先で自分は見捨てられるんだ

という花峰の思考が読者を誘導しようとはしてるんだけど
かなり無理があってその理屈を飲み込めないです

僕らだって
見ず知らずの人間の命と引き換えに数億円の利益があるとき
その他人の命を差し出すことなんてできないですよ
(数億円の損失と命の二択なら考えますが)




そもそもこの読切の世界観自体が
僕らの生きる世界と程遠い(無法地帯過ぎる)ので
「仕事」を語るのが困難になっていると思います


「仕事による幸福を求める世界」
とかじゃなくて
「サバイバルの世界」になっている
つまり
完全に仕事の外の話になっているのでは?


まとめると

世界観をもっと練ってほしいのと

田中の「仕事」への姿勢を見せてほしいです

「警備のための体の改造」は
「仕事」をする準備の段階であるし

「花峰を助けるかどうかの選択」は
「仕事」を越えた段階の話だと思います

「仕事」を語るというより
バトル漫画の要素を「仕事」に無理におさめたような
印象を受けました

「田中」というキャラクターのコンセプトは
面白いなとは思ったんですが…




最後に

ワンパンマン』のコミックス3巻収録の
番外編「吹き込む新風」という漫画があって
これの話が今回の読切と内容は似てるんですが
よく出来ていて面白いです

(「努力」についての話なので
『PUTON』の方が通じる所があるかもしれないです)

サイタマというキャラクターや
ワンパンマン』の世界観があっての完成度でもあるんですが

今回で言う花峰ポジションにあたるこの番外編の主人公が
サイタマと出会って成長する物語になっているのが
いいんですよね

今回の読切では
誰の成長もなかったのが
物足りないのかなと思いました

流石ONE先生という感じなので
未読の方は是非読んでみて下さい


感想は以上です


また詰め込み過ぎでよく分からない感想になってますが
どうかお許しを

読んでくださってありがとうございます